全豪オープンが初日を迎えました

2023年1月16日、全豪オープン初日を迎えました。先日も記したとおり、西岡良仁選手、ダニエル太郎選手、内島萌夏選手と、予選を通過した綿貫陽介選手が初日のシングルス1回戦に登場しました。一方、メイン会場であるロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)には、第3試合に前回優勝のラファエル・ナダル(Rafael Nadal)選手が登場しました。

会場に向かう人びと

全豪オープンのチケットは、アリーナであるロッド・レーバー・アリーナ、マーガレット・コート・アリーナ(Margaret Court Arena)、ジョン・ケイン・アリーナ(John Cain Arena)の3会場が指定席で販売されます。アリーナ以外で行われる試合をすべて見られる入場券(Ground Pass、グラウンドパス)もあります。会場は自由席です。これらのチケットは、昼の部(Day Session)と夜の部(Night Session)の2種類があります。3アリーナで昼の部と夜の部が設定されている場合、昼の部が終了後に入れ替えとなります。

会場では飲食販売のほか、パブリックビューイングスペースも

私は当初、日本から参加している選手が登場する第12コートで観戦しようと思っていました。が、メイン会場であるロッド・レーバー・アリーナの昼の部、第3試合にナダル選手が登場するのを見、浮気して、こちらのチケットをとりました。テニスは素人なので、できるかぎり近いコートサイドで、お手頃価格のものを探したところ、ほぼ真正面(真横?)の前から11列目の席を入手できました。お値段は139ドルでした。なお、グラウンドパスは59ドルです。私が観戦したのは次の試合でした。

  • 女子シングルス Katerina Siniakova (チェコ) - Coco Gauff (米国)
  • 女子シングルス Yue Yuan (中国) - Maria Sakkari (ギリシア
  • 男子シングルス Rafael Nadal (スペイン) - Jack Draper (英国)

Gauff選手は第7シードで女子世界ランク7位、Sakkari選手は第6シードで女子世界ランク6位です。また、ちょうど今朝のニュースでSakkari選手の舞台裏を描いたドキュメンタリーがNetflixのBreak Pointという番組で放映されていると紹介されていたこともあり、興味を覚えました。のちほど楽しみに視聴します。

さて、試合ですが、第1試合は11時開始で、日差しもなく、曇り空の下、快適な環境でプレーが行われました(のちほど席のことでもう一度触れます)。試合結果は2-0でGauff選手がストレート勝ちでした。Siniakova選手はシングルスの世界ランクは48位で、ダブルスは1位で実力者です。第1セットはGauff選手が6-1で先取しましたが、後半になるにつれ、Siniakova選手が調子を上げていった印象がありました。ただ残念ながら、4-6でこのセットも落としてしまいました。声援はどちらかというと、Gauff選手のほうが大きかったように思います。みなさん、「Coco(ココ)」と応援していました。Siniakova選手には「Katerina(カテリナ)」と声がかかっていました。どちらもファーストネームで声をかけられていましたね。

第2試合には太陽が顔を出し始め、日差しを感じるようになりました。こちらも2-0でSakkari選手がストレートで勝利しました。Yuan選手は細身の長身(178cm)でしたが、力強いストロークを打っていました。Sakkari選手は何度もYuan選手の逆をつくショットを繰り出すなど、技術の高い選手だなと思いました。先日の予選で日比野選手が対戦したBucsa選手を思い出しました。なお、Bucsa選手は第6コート第1試合に登場し、1回戦を勝利しました。

そして第3試合です。途中雨がぱらつくこともありましたが、総じて炎天下の中の試合となりました。気温はそれほどでもなかったのですが、日差しは強烈でした。選手も、そして(日の当たる席にいる)観客も忍耐が必要でした。

試合は、Draper選手(みんなから「ジャック(Jack)」と呼ばれていました)の活躍もあり、試合全体をつうじて互角の戦いでした。特に第2セットは早々にナダル選手のサービスをブレイクして、6-2で取りました。ただ、ナダル選手のすごさを感じたのは、集中力の高さです。第1セットはお互い譲らず5-5まで行き、自身のサービスをキープしたのち、これを取ればというところでDraper選手のサービスゲームをブレイクして、7-5で先取しました。また、第3セットも、お互いに1ゲームずつブレイクしたのち、最終ゲームを再びナダル先取がブレイクして、6-4で獲得しました。

ロッド・レーバー・アリーナでの試合のようす

ここまでの試合を見て、フルセットを覚悟しました。試合は15時前に始まったと記憶しているのですが、ここまでで17時30分を過ぎていたと思います。第4セットもDraper選手がナダル選手のサービスゲームをブレイクするところから始まり、すぐにナダル選手がブレイクバックするなど、スリリングが試合が展開されました。が、第4ゲームあたりでしょうか。Draper選手が突然動きを止めました。どこか痛めたようです。その後は特にサーブを強打できなくなりました。ここまで200km/h以上のサーブを打ち込んでいたので、明らかにようすがおかしいです。お腹のあたりに手を当てているのを何度も目撃しました。家に帰って写真を見てみると、腹筋にテーピングしていました。もしかしたら、腹筋にけがを抱えていたのかもしれません。その後、ラリーになると互角に打ち合っていたDraper選手ですが、最後はナダル選手が6-1でこのゲームをとり、3-1で2回戦に進出しました。もしあのままけががなく試合が進んでいたらどうなっていたのでしょう。とても気になる試合となりました。

第3試合終了後、ひきつづき他の会場の試合も観戦できたのですが、観戦と直射日光による疲れもあったので、会場をぐるりと散策して帰宅しました。充実した全豪オープン初日でした。

 

追記1 

夏の日差しのことは先週1月11日に体験していましたが、それ以上でした。私の席は「直射日光下(Exposed to Sunlight)」と説明されていましたが、ナダル選手の試合を見るために覚悟して行きました。第1試合は曇り空だったので安心して見られたのですが、第2試合から日差しが強くなり、体にこたえました。第3試合は徐々に日差しを正面から受けるようになり、一番厳しかったです。帽子、サングラス、日焼け止め、十分な水分はもちろん、白い上着で日陰をつくりつつの観戦でした。それでもなお、つらかったです。小型の電動ファンを持ってくればよかったと後悔しました。メルボルンの夏、恐るべしです。なお、日焼け止め(Sun screen、Suntan lotion)が会場で無料で配布されています。

 

追記2

私の隣に座っていた20代くらいの女性に、試合終了後、写真撮影を頼まれました。私が日本から来たことを知ると、日本語で「私は『テニスの王子様』のファンで、この会場が漫画の中に出てきたので、楽しみに来ました。聖地巡礼みたいですね。」とおっしゃっていました。もちろんそれだけではないのでしょうが、そういうすばらしい会場なのだなとあらためて教えていただきました。ただ、私は『テニスの王子様』を(知ってはいましたが)読んだことがなかったので、なにもお返しできませんでした。ファン同士であればもっと盛り上がったでしょうね。お役に立てずにごめんなさい!