オーストラリアの住宅事情(その2)

2月21日に、オーストラリアの住宅事情を記しました。今朝のABC Breakfastでは、10ヶ月連続の金利の引き上げにより、住宅価格の値上がりがつづくおそれがあること、これに関連して、住宅不足が深刻になっていることが紹介されました。具体的には、安価な賃貸住宅の数が少なくなってきているとのことです。

別のウェブサイトのニュースで、このことが報じられています。

www.news.com.au

この記事によれば、週400ドル以下の賃貸住宅の数は、2020年のパンデミック前には全体の42.5%を占めていたのに対し、2023年2月には17.6%にまで減少しているとのことです。

オーストラリアでは、賃料が週単位で提示されます。日本では月額表示なので、最初はそこに戸惑いました。1ヶ月を4週とすると1,600ドル、本日3月7日のレートで日本円で約14万5千円でした。それが高いのか安いのかは、物件にもよりますし、立地も関係します。

ABC Breakfastでは、ブリスベンから約40km離れた郊外の一軒家が紹介されていました。それが400ドル以下であるかどうかには触れていなかったと思いますが、平屋で2から3つの寝室、キッチン、リビング、そして庭付きでしたので、それなりのお値段がするのではないかと思いました。

都心から40kmであれば、車で約1時間の通勤圏内ですよね。ただ、このように郊外に物件を求めるようになると、先日紹介したような渋滞が発生し、大きな社会問題になります。

今日のBreakfastで興味深かったのは、このニュースの後に、大気汚染を扱っていたことです。その内容は、メルボルンの学校に通う子どもたちに、大気汚染を感知、記録できる装置を取り付けたバックパックを利用してもらい、通学時などの大気汚染の状況をモニタリングするという実験が始まったというものです。この研究は、Deakin Universityの研究者とDysonが共同で実施しています(下の記事はThe ageから)。

www.theage.com.au

ニュースではある親子がインタビューを受けていました。その親は、子どもがこうした実験に参加することで、環境問題に対する意識を高めてくれることを期待していました。一方、子どもも自分がこうした実験にかかわることができてうれしいと話していました。市民が実験や調査研究にかかわるシチズンサイエンスの1つですね。

住宅事情は、経済的な問題だけでなく、交通問題にも繋がります。交通問題は利便性にかかわるものから二酸化炭素の排出までさまざまであり、大気汚染とも関連します。大気汚染は地域に暮らす人びとの健康にも影響します。ABCにこうした意図があったのかはわかりませんが、1つのトピックから多様な問題を設定できることをあらためて認識しました。