ニューサウスウェールズ州議会選挙迫る

日本では昨日、春の統一地方選の前半戦がスタートしましたが、オーストラリアでは明日、ニューサウスウェールズ州議会の投票を控え、選挙戦が最終盤のようです。今朝のABC News Breakfastでもトップニュースで報じられ、キャスターのMichael Rowlandがシドニー入りし、Sydney Observatoryから中継していました。

選挙戦は、与党自由党とその連合と野党労働党との間で拮抗しているようで、議会の過半数である47議席(magical number 47と呼ばれていました)にはどちらも届かないようです。結果を受けて、各党がどのように連合し、政権を握るかということになりそうです。

選挙の争点は、生活に密着した話題がいくつもあがっています。Breakfastでは、シドニーの中心部から電車で約50分の郊外の街Parramattaからのレポーターの中継で、公共交通機関の問題点が紹介されました。このブログでも以前触れましたが、居住地域が郊外に広がるにつれ、都心へのアクセスをどうするかが課題になります。メルボルンもそうですが、郊外の鉄道駅には駐車場が用意されていることが多く、パーク&ライドが当たり前のこととなっているようです。ただ、中継では、車で駅に来ても、時間帯によっては駐車スペースがなく、時には車で通勤せざるを得ないという住民の経験を紹介していました。朝の通勤時間帯に車で移動しても50分ほどかかること、そのときには有料道路を通るためさらにお金がかかることが問題であるとも紹介されていました。

このほか、有識者からのコメントとして、GP(かかりつけ医)の不足、物価の高騰、家賃の高騰と賃貸物件不足なども取り上げられていました。まさに、身近な問題をいかに解決するかが、州議会に課せられた課題になっているようです。

こうした光景は、昨年行われたアメリカの中間選挙でも見られました。大統領のここまでの活動を評価する国政選挙であり、与党には不利であるとも言われますが、他方で市民の関心事は生活にかかわることのようで、バイデン大統領への評価、トランプ前大統領への期待とともに、選挙の争点となっていました。結果は民主党がなんとか上院の議席で優位に立つまで盛り返しましたが、下院では共和党過半数を占めました。さまざまな要素が絡み合った結果のように見えました。

昨年2022年に行われたビクトリア州の選挙では、下院上院ともに労働党が勝利しました。今回のニューサウスウェールズ州議会の選挙はどうなるでしょうか。明日が投票日です。

追記 News Breakfastの番組の終わりに、Michael RowlandとInsidersのキャスターDavid Speersが再度登場しました。そのときに、スタジオのキャスターLisa Millerから、二人の足元に赤い花びらが散りばめられているがそれは演出かと(たぶん)指摘されたのです。私も中継を見ていて気になったので、ナイスつっこみ! と思いました。中継場所のSydney Observatoryにある展望台からはHarvour Bridgeがよく見えるため、結婚式などの記念撮影場所に使われており、その名残ではないかとMichaelは伝えていました。シドニーの新たな名所(?)になるでしょうか。