公共交通事情

シドニーで電車が停まる

今朝のABC News Breakfastのトップニュースは、シドニーで起きた大規模な電車運行停止でした。昨日3月8日の午後3時ごろ、司令室と列車をつなぐデジタル無線システムが使えなくなり、全線で運行を停止しました。帰宅時間に近いこの時間帯に、運行再開まで1時間以上かかったことから、シドニーでは大混乱になったと報じられていました(下の記事はそのころに報じられたもの)。

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電車が利用できなくなったため、駅には人があふれ、バス停には人が押し寄せ、Uberをはじめとするライドシェアサービスに人が殺到したようです。結果、Uberの値段は、普段の10倍になることもあったとか。このことに批判が集まり、Uberは上限金額を超えた料金を返金する模様です。

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シドニーメルボルン、パースなど、郊外に住宅地が広がり、電車で通勤通学する人びとの多い地域では、こうした事件、事故は多大な影響を与えます。日本でもまれにシステムトラブルで遅延したりすることはありますが、すべてがストップすることはほとんどありません。むしろ、人身事故による運行停止のほうが多いでしょうか。逆に、こちらにいて、人身事故によって電車が停まったというのを聞いたことがありません(私が普段、電車を使っていないからかもしれません)。このことは、日本社会の利便性と、それとは対照的な社会の生きづらさを表しているのでしょう。

ダーウィンでバスが間引かれる

シドニーの話題に加え、ダーウィンの公共バスが人手不足により、30%減便され、市民の足に影響を与えているとの報道もありました。他の都市と異なり、ダーウィンでは自治体ではなく、企業が公共バスを運行しているそうです。ただ、運転手が不足しているため、現行のダイヤで運行することが難しく、やむなく減便しているとのことでした。

人手不足はオーストラリアのさまざまな分野で起こっているようです。また、都市部よりも郊外、農村部で起こっているとも以前、報じられていました。このことは別にまた記したいと思います。

メルボルン空港でストが行われる

昨日3月8日に、メルボルン国際空港で、航空機に燃料を給油する労働者の組合が24時間のストを決行しました。カンタス航空といくつかの航空会社に支障が出そうだと言っており、その中には日本航空JAL)も含まれていました。

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その後、何度か確認していますが、大きな混乱にまでは至っていないようです。JALも水曜日の出発便はなかったようなので、影響は小さかったかもしれません。

日本ではストが珍しくなりました。他方、こちらでは労働環境の改善のため、ストライキやデモを見かけます。確か、シドニーでは電車・トラム・バス労働組合(Rail, Tram, and Bus Union、RTBU)が昨年11月、12月にストライキを実施し、通常よりも少ない本数で運行されていたように記憶しています。ニュースのインタビューで、ストライキによって不便を被ることに不平を漏らす人がいる一方、ストライキは労働者の権利だから理解するという人もいました。働き方改革やら、異次元の子育て・少子化対策やら、日本の政府はいろいろと宣言はしますが、実質は変わっていませんし、変わる気配もありません。その手段はともかく、私たち自身ももっと声をあげていかないと、あげつづけていかないといけないと、こちらでの活動を見て感じました。

追記 BreakfastにSydney Trainsの責任者(Chief Executive)のMatthew Longlandが出演したとき、キャスターの一人であるLisa Millerの最初の質問「なにが起きたの!(What happened!)」がとても強い口調(?ではなく!に聞こえるほど)で、人びとを代弁しているようで、印象に残りました。