全豪オープン13日目に行ってきました

今日は女子シングルス決勝の日です。どこかのブログの記事で、決勝戦はイベントやセレモニーもあり華やかなので観戦して損はないと記してあったので、真っ先に取ったのがこの日のロッド・レーバー・アリーナの指定席でした。表彰式をきちんと見たかったので、選手から見て斜め右上後方の席を取りました。お値段約3万円ほど。

今日の予定は次のとおりです。

  • 車いす部門女子シングルス決勝 De Groot選手 - 上地選手
  • 車いすクアード部門決勝 Niels Vink選手 - Sam Schroder選手
  • 車いす部門男子シングルス決勝 Alfie Hewett選手 - 小田選手
  • 女子シングルス決勝 Elena Rybakina選手 - Aryna Sabalenca選手
  • 男子ダブルス決勝 Rinky Hijikata選手、Jason Kubler選手 - Hugo Nys選手、Jan Zielinski選手

車いす部門の上地選手は第2シード、小田選手は第3シードとして決勝に進出しましたが、対するDe Groot選手、Hewett選手は第1シードで格上との試合でした。上地選手は第1セットをDe Groot選手にテニスをさせることなく6-1でとりましたが、第2セット、第3セットは相手にペースを握られ、セットカウント1-2で敗戦となりました。小田選手も自身の良いところは出せましたが、Hewett選手が一枚上手であったように感じました。でも、お二人とも実力を発揮して、しっかり決勝にコマを進めたのはさすがです。くやしさは残りましたが、お二人の今後にとってもよい大会だったのではないかと思います。

車いす部門女子シングルス決勝

車いす部門男子シングルス決勝

また、今回もあらたな発見がありました。車いすのクアード(Quad)クラスです。全豪オープンのスポンサーでもあるダンロップのウェブサイトに次のように説明されていました。

車いすテニスには、「男子」、「女子」、「クァード」の3カテゴリーあります。
「クァード」は、英語で四肢まひを意味する「Quadriplegia」(クァードリプリジア)の略称で、男女混合で試合が行なわれるのが特徴です。
握力がない選手はグリップと手をテーピングで固定することが認められていたり、電動車いすを使ってプレーする選手もいます。
「男子」「女子」のカテゴリーと比べると、車いすを操作するスピードも遅くなります。そのため、球筋を読み、いかに正確なショットでコースをついたボールを相手コートに打てるかどうかが肝となります。

男女混合、テーピングでの固定、電動車いすの利用など、他のクラスとは異なる運用規則です。ただ、こうしたルールの適用は、多様な人びとテニスへの参加の可能性を広げるものであり、好感を持ちました。同様のことは、1月27日にたまたま通りかかって観戦した知的障害者部門(Person with Intellectual Impairmen、PWII)や聴覚障害者部門(Deaf & Hard of Hearing、DHOH)の試合でも感じました。他方、自分の無知に気恥ずかしさも覚えました。この大会をつうじて、さまざまなことを体験し、学びました。

話題は車いす部門に戻ります。数試合をつうじて感じたことの1つは、車いすテニスの難しさ=技術の高さです。車輪が固定されない車いす上で、選手はうまくバランスを取りながらサーブを打っていました。逆に、レシーブの際は、車の勢いを生かして球に力を加えていました。相当の努力に裏打ちされた技術であると思います。これまで、1試合を最初から最後まで観戦したことがありませんでしたが、とても奥深い競技であると感じました。

その後、ロッド・レーバー・アリーナに移りました。準々決勝で、第1シードのSwiantek選手に2-0でストレート勝ちした、前回ウィンブルドン優勝のRybakina選手と第5シードとして順当に勝ち上がってきたSabalenca選手との決勝でした。試合は、Sabalenca選手が3-1で勝利し、四大大会初優勝を成し遂げました。

第1セットはRybakina選手が6-4でとります。Sabalenca選手の強烈なサーブに目を瞠るものがありましたが、Rybakina選手の正確かつ質の高いストロークにSabalenca選手はうまく対応できていなかったように思います。第2セット以降は、技術ももちろんですが、力強い球を次々と決めるSabalenca選手に、Rybakina選手が逆に手を焼くようになりました。第1セットを見たかぎりでは、Rybakina選手が有利かなと思っていましたが、勢いそのままにSabalenca選手が勝利しました。最後のポイントが決まったあとに仰向けに倒れ込んで涙を流していたSabalenca選手の姿、それを大きな拍手で祝福する会場の雰囲気がとても印象に残っています。試合時間約2時間30分、とても見ごたえのある決勝戦でした。

女子シングルス決勝表彰式

表彰式ののち、男子ダブルスの決勝が行われました。このときすでに23時近かったかと思います。決勝に進出したHijikata選手、Kubler選手は地元オーストラリアのペアです。きっと多くの人が応援するだろうと思っていたら、観客のお目当ては女子シングルスの決勝であったのか、空席が目立ちました。係員に席は指定席かと尋ねたところ「そうだ」という返事。ただ、周りにたくさん空いていたので、別のところに移って観戦しました。

男子ダブルス決勝

試合は、地元ファンの期待どおり、Hijikata・Kublerペアが2-0で勝利しました。観客からは「Good job, boys」とか「Good, boys」などと声援を受けていました。Hijikata選手は21歳と若いのですが、Kubler選手は28歳です。(失礼な言い方ですが)見た目はお二人とも若く見えるので、そのように応援されていたのでしょうね。第2セットはタイブレイクから7-4で取るなど、接戦をものにしてのグランドスラム制覇でした。会場は大いに盛り上がりました。

とは言え、帰宅したのは深夜1時過ぎ。大きな満足感とともに、疲労感も半端のなかった全豪オープンでした。