メルボルンダービーのその後

今朝のニュースで、12月17日に開催されたAリーグ(オーストラリアのプロフットボール(サッカー)リーグ)の試合、メルボルンをホームタウンとするメルボルン・シティとメルボルン・ビクトリーとのダービーマッチで起きた「事件」に対する処分が報道されました。試合中にメルボルン・ビクトリーの観客席から投げ入れられた発煙筒をGKのグローバー(Thomas Glover)選手が観客席に投げ返したところ、サポーターが雪崩を打ってピッチに入り、グローバー選手に怪我を負わせたほか、広告看板を倒したり、ゴールポストにぶら下がるなどして試合を妨害、試合は中止となった「事件」です。

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実は、私はこのとき、この試合をシティ側の観客席で観戦していました。試合当初から両チームのサポーター席で発煙筒が焚かれ、そのいくつかはピッチに投げ込まれ、不穏な空気に包まれていました。試合開始後もそれが続きました。そして、件のことが起きました。

特に何のアナウンスもなく1時間ほどが経過したころでしょうか、特段の説明もなく、試合の中止が伝えられました。

当日はシティの女子チームの試合もその前に行われました。私は女子の試合の開始5分後くらいから観戦したので、おおよそ1試合分を観戦できました(チケットは1枚分でOKでした)。しかし、一緒に行った友人は仕事の都合で、試合の後半途中からとなり、この「事件」を目撃することがメインになったような感じでした。

今朝の報道によると、ビクトリーには55万ドルの罰金が課されるほか、勝ち点の減点、主催試合およびアウェイでの観客席利用の制限などの処分が課されるとのことでした。

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ところで、この「事件」のきっかけは何だったのでしょうか。試合当初から不穏な雰囲気がありました。何かを訴える横断幕も掲げられていました。そのときはしっかり確認できなかったのですが、優勝決定戦が今後3年間、シドニーで開催されることが決定したことに対する抗議だったようです。

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報道によれば、元々、優勝決定戦はリーグの最上位チームのホームで行われていました。それがAリーグも所属するオーストラリアプロフェッショナル連盟(Australian Professional League、APL)の理事会で、シドニーに固定することが決定されたというのです。理事会にはシドニーの2つのクラブチームの関係者が関わっていること、決定には金銭も絡んでいる(開催の権利を購入した)ことから、サポーターから抗議の声が上がり、例の「事件」に繋がりました。

メルボルン・ダービーということで楽しみに出掛けた観戦でしたが、ふだんのサッカーとは違った側面に遭遇した、ある意味貴重な経験でした。なお、再試合は4月に行われるとのことで、その頃、私は日本に帰国していますね。残念!