セントキルダ図書館(St Kilda Public Library)

今日は久しぶりに30度を超え、真夏日になりました。先週は水、木、金と熱波が襲い、金曜日はなんと41度にまでなりました。その後は比較的過ごしやすい陽気がつづき、昨日は一転、寒々とした天候でしたので、また夏が戻った感じです。とは言え、朝晩は涼しいか、寒いくらいの気温にまで下がるので、秋の気配も感じられます。

この暑さの中、出歩くのはどうかとは思いましたが、今日はセントキルダ図書館を訪れました。セントキルダはメルボルン市の南に位置するポートフィリップ市(City of Port Phillip)にあり、ビーチやペンギン、ルナパークなどで有名です。

ポートフィリップ市には、セントキルダ図書館のほか、アルバートパーク図書館、エメラルドヒル図書館、ミドルパーク図書館、ポートメルボルン図書館があります。これまで、ミドルパーク図書館とセントキルダ図書館を訪れたことがなかったので、この2つの図書館に行こうと思ったのですが、ミドルパーク図書館の開館時間が14時から18時であったこともあり、セントキルダ図書館のみにしました。

library.portphillip.vic.gov.au

セントキルダ図書館の開館は1973年と比較的新しく、その後1990年代に増築が行われ、現在の図書館になっています。図書館自体は、1860年代の住民からの声を受けて市庁舎に設けられた図書室が始まりであると英語版Wikipediaで説明されています。ただ、現在の図書館開館までには紆余曲折があったようで、そのことを伝える当時の新聞記事の切り抜きや開館時の建築図面などが図書館内に展示されていました。Wikipediaの記事でも紹介されていますが、自分なりに詳細を調べてみたいですね。

en.wikipedia.org

その図書館の書架の一角に、“Obu Collection (Japanese)”なる案内表示を見つけました。その書棚を見ると10棚ほどの日本語図書が排架されて(並べられて)います。気になって眺めていたところ、ライブラリアンが声をかけてくれました。このコーナーの謂れを尋ねてみたところ、姉妹都市であるObu市の図書館と資料を交換し、ここに設置したとのことでした。「日本の真ん中あたりにあるようです。」と教えてくれました。

しかし、私にはObuがどこの市なのか、まったくぴんと来ませんでした。Obu、おぶ、オブ...。帰宅してから調べたところ、愛知県大府市でした! Ōbuか! ローマ字表記は難しいですね(笑)。Oobuなら分かったかもしれません。

そのコレクションの中に、見知った女性の絵が表紙にあしらわれた本がありました。メーテルです。『松本零士画集』という本でした。先日、松本零士さんの訃報が届きましたね。そのことをライブラリアンに伝えると、「私の娘は日本語が少しできます。日本のアニメも好きなので知っているかもしれませんね。」と教えてくれました。ご自身もご家族のお仕事の都合で、日本を行ったり来たりしている(いた?)ようです。

いろいろな偶然が重なりましたがが、ここメルボルンで、このタイミングで松本零士さんの本に出会うとは思っていませんでした。ご冥福をお祈りします。